オーダーサロン銀座テーラー

【GINZAたうん】オーダーサロン銀座テーラー 緻密な仕立て イメージ通り

スタジャン オーダー、スタジアムジャンパー

1月14日8時3分配信産経新聞ここにしかない「メード・イン・ギンザ」。東京・銀座5丁目、晴海通りから新橋方向に入った通り沿いにある「銀座テーラー」は、採寸から縫製までのすべてを銀座の街中でこなす唯一のテーラー(仕立屋)だ。1946(昭和21)年の創業以来、各界の要人や著名人らがこの店でスーツを仕立ててきた。(黒田悠希)◇8階建ての自社ビルをエレベーターで4階に上がると、2000点を超える表地用生地がオーダーサロンに並べられている。ほとんどがイタリアやイギリスなどの舶来品。気に入った生地がなければ、生地見本のカタログを見て取り寄せることもできる。表地を選んだら、3階へ。ここは裏地など洋服の仕様を決め、仮縫いをする場所。銀座テーラーグループの鰐渕美恵子社長(60)は「自分をどう見せたいか。そのイメージをじっくり聞いた服作りをしています」と話す。そのモットーに忠実なテーラリングは非常に緻密だ。仮縫いに使う大きな鏡には格子模様がプリントされている。細かいバランスを見て、体にぴったり合う服を作るための独自の工夫だ。60代半ばのベテランを中心に22歳から70歳までの12人のテーラー職人が1着ずつ受け持ち、責任を持って仕上げる。ラインアップは、仕立て料が6万円ほどのパターンオーダーから500万円を超えるフルオーダーの最高級品までと幅広く、女性用のスーツやドレスのオーダーにも応えている。敷居が高いという仕立て服のイメージを払拭(ふっしょく)するため、さまざまな工夫も怠らない。手ごろな価格で仕立ての心地よさを味わえるブランド「SAMURAI(サムライ)」は、10万円台からのライン。上質の服地を使うのはもちろん、ポケットフラップの裏部分など随所に西陣織があしらわれ、ボタンは福井県鯖江市で漆塗り加工したものを使う凝りようだ。鰐渕社長は、自社をイノベーション(革新)テーラーだと表現する。ジーンズなどデニムウエアのテーラリングを手がけ、顧客が愛用した和服を洋服に仕立て直すサービスも今秋から始めた。自社ビル内に設けた美容サロンでは、男性はもちろん女性もヘアカットやネイルケア、マッサージなどでリラックスした時間を過ごせる。熟練の技を次世代に伝えることは、自社だけでなく業界にとっても欠かせない。3年前に「日本テーラー技術学院」を設立し、テーラーが業務後の夜、ビル内のアトリエでアパレル企業のパタンナーたちを指導している。伝統に安住せず、アイデアを次々と具現化していく銀座テーラー。「銀座も栄枯盛衰で、昔からあったものが撤退していく。(セレクトショップの)ザ・ギンザが閉店し(スウェーデンの衣料大手)H&Mがやってきた。銀座自体が勝ち残るため、もっと新しい銀座になっていく変わり目がいま。銀座テーラーもどのように進化していくべきなのか」鰐渕社長の言葉は、銀座の街を支えるすべての人たちへのメッセージのように感じられた。

〔引用元:Yahoo社会(産経新聞)]]〕